先行き不透明な時代の新たな競争戦略 〜視点を変えれば見えてくる〜
本日、慶應ビジネススクール(KBS)主催のセミナーに参加しました。
MBAの話なので堅苦しい机上論だと思う方もいるかもしれませんが、
スタートアップの我々にも示唆に富んだ内容です。ぜひ、本の方もご一読を。
タイトル:異業種競争戦略
講演:内田 和成氏
〜〜〜以下まとめ〜〜〜
■異業種競争とは
これまでの同一業界内での競争ではなく、異業種、異なるビジネスモデルとの競争のこと。
例えば、セブン銀行、アップルの音楽事業、DHC、東京ガスのエネファームなどこれらは
すべて異業種からの参入である。元々の銀行業にとって小売りの7&Iが競合になるなど
思っていなかったろうし、PCメーカーのアップルが音楽事業をやるなど想像できなかった。
■異業種競争が起こる理由
このような異業種競争の事例は枚挙に暇がない。それではなぜこのように従来と異なる
競争が起こるのか。理由は下記の3つ。
1.(日本)経済の成熟化
2.競争のグローバル化
3.情報革命の進展
■戦い方
異業種競争に勝つためには次の3つの視点が必要である。
What:顧客に何を提供しているのか?
Who:競争相手は誰か?
Where:どこで戦うか?
・What:顧客に何を提供しているのか?
同じ価値を提供していても手段は異なる。「リアルとサイバー」、
「所有とレンタル」などである。つまり、本 質は何かを考えること。
・Who:競争相手は誰か?
他業種からの参入者、ベンチャー企業、業界異端児なのか。
敵を知り己を知らば百戦危うからずということ。
・Where:どこで戦うか?
局地戦:小さく生んで大きく育てる、コバンザメ
全面戦争:シェア合戦、デファクト戦争、置き換え
【ポイント】
・事業連鎖でビジネスを捉える
・戦い方を理解
・ビジネスモデル構築
・新しいルールの確立
【まとめ】
異業種競争戦略という言葉を聞くと固くて難しそうに感じるが、要するに
「視点を変える」、「切り口を変える」ということである。そしてその本質は
ビジネスモデル、つまり異なる儲けの仕組みによる戦いと言える。例をあげると
マイクロソフトのオフィスもグーグルのドキュメントも同じビジネス向けサービス
を提供している。しかし、MSはソフトウェアの販売を目的としているのに対し、
グーグルは無料。グーグルの狙いはヒト、情報を集めることで広告で稼ぐことである。
このように同じ価値を提供しているものでもビジネスモデルは異なる。そしてこの異なる
ビジネスモデルの戦いが本質なのである。
大企業は自らの土俵を築いているため、ビジネスモデルを再定義することは困難である。
したがってベンチャー企業こそ、この異業種競争戦略の考え方が有用なのではないだろうか。
最後に視点を変えるということで下の画像をじっくりみてみよう。鳥?、女性?・・・
きっといろいろ違うものが見えるでしょう。
おまけ。これもある意味、視点を変えればということで(笑)・・・
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